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喫茶燐寸帖 12 喫茶マドカ

 少しずつ見てくださる方が増えて嬉しいです。さて今日もいってみましょう。


12 喫茶マドカ

 大垣城のすぐ近くに城南アパートという建物がある。この一回部分に「お城街」というちょっとした飲食店街がある。現在はひちやが営業しているだけ。飲食店街ではない。この城南アパートの向かいには鳥肉専門店の鳥芳がある。(母は昔はここに肉を買いに行っていたらしい。)その前あたりにレンガ造りの洋館?ジブリの世界に出てきそうな建物がある。ここが喫茶マドカの跡地。ちょっと前は大垣城サルーンという店だったかと思うが、現在はイタリアンの店「クッチーナ」となっている。(いつか行きたい憧れの店。わたしのような者が行けるような店ではない。)


 喫茶店にのめり込む前のこと。もうかれこれ10年以上前になるのが驚きなのだが、その頃わたしは高校生。その時に初めてこの建物に出会った。まだガラケーの時代で写真を撮ることを「写メる」なんて言っていた頃。二つ折りのケータイでマドカの跡地を撮影したのをよく覚えている。美術部だったので絵の題材を探しに出かけた時だった。ジブリの世界に迷い込んだようでどきどきした。あの頃はまだ下の階は改装されておらず、多分マドカだった頃のまま建物が残されていた。

 そのガラケーのデータを探しているのだが見当たらない。消してしまったか探し切らないだけか。あったとしても画質は最悪だろう。


 マドカのマッチはラベルのものしか所有していなかったが箱を入手できた。しかも中身が入ったもの。

 ピンクを基調とした箱にブルーグリーンの頭薬のマッチ。淡い色合いが美しい。いいコーディネート。写真では分かりにくいがゴールドの部分は広げてみるとなんとなく「M」の字に見えるような見えないような。電話番号は4桁表記。多分年代的にこれが古いデザイン。


 

 こちらはもう少し後年のもの。デザインは最初に紹介したものと似ている。広げた図。Mに見えない...か?背の部分に書かれた場所が「大垣城畔」から「大垣・岐阜」に変わっている。岐阜にも支店を出したようだ。また岐阜店についても調べてみたい。この頃のマッチを見ると複数の場所に店を出していることが多く、それだけたくさん店を構えても流行る時代だったのだろうと勝手に思っている。


 こちらも古いもの。


 前Twitterに「わたしが生まれる前に閉店」みたいなことを書いた気がするが別の店と間違えていた。マドカがいつ頃まで営業していたかは分からない。間違えていた店のマッチもあるのでまたご紹介できたらと思う。


 高校生の頃に心奪われたあの建物が昔喫茶店だった場所で、十数年後こうしてあほみたいに取り憑かれて昔あった喫茶店のことなど調べて歩くことになっているなんて思いもしなかった。このマッチが手元に巡ってくるとも。何が起こるか分からない。

 真夏の暑い時期に絵の題材を探し、自転車で走り回って出会ったマドカ跡地。だというのにわたしはマドカの絵は描かなかった。そのうちあの建物を絵に描き起こせたらな。


 


 


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